川口市の中でも、ジャンクション周辺の地域は、埼玉高速鉄道の活用も相まって、首都圏近郊において選りすぐりの交通立地の良い場所である。加えて、自然環境にも恵まれていて、今でもオオタカやフクロウが住まう森があったり、イイナパークの整備以降は、昆虫はもとより野ウサギも帰ってきている。農地では、安行の植木農家や神根野菜農家も地道な活動を続けており、都市農業の魅力を発信すべく新しい農業にも取り組んでいる。
一方で、土地利用について建築物の制限を受けてきた市外化調整区域には墓地や資材置き場など望まれない土地利用も多い実情であったが、これらには、特別に申請を要しないことから半ばやりたい放題の野放し状態であったことも事実である。この3年の間でこれらに制限を設ける条例も整備することができたことは、地域の未来にとって大変有意義である。
また、土地利用という観点から、都市と緑農地が調和した良好なまちづくりを実現する土地区画整理事業特区の申請が行われ、新井宿駅・戸塚安行駅の住宅建設がいよいよ動き出している。この事業特区は、横浜市と川口市にのみ認可されている事業であるが、一般住宅の建設については川口市にのみ実施される日本でも類を見ない事業である。まさに都市と自然がベストミックスしたまちづくりであり、新井宿駅周辺のまちづくりに長く取組んできた私にとっても期待感が高まっている。また、新井宿駅は駅前広場について駅開業当時に都市計画決定されていたものの、長らく暫定の整備であり、エレベーターホールから駅入口が離れているなどバリアフリーにも懸念があり、具体的な駅の顔が創れない状況であったが、この度、令和9年を目途に新井宿駅前広場が正式に整備されることとなった。都内まで30分前後で出かけられるこの地域がますます熱い地域になるであろう。